アーク歯科クリニックの基本理念『自分でされたい,自分の最愛の人にしたい治療を計画し実践すること』に従い,綿密に構成された卒直後歯科医師臨床研修プログラムをシステマティックに履修できます。単独型研修コースの1年間は4期に分けられ,各カリキュラム履修の目安とすることで,効率良く研修カリキュラムを修得します。研修準備期と早期には,臨床の基礎知識・技術・態度を網羅的に学習し,中期には診療参加型の研修を通し患者中心の全人的医療を実践します。
また,研修後期には,歯科医師としての基本的臨床能力を成熟させるとともに,専門医研修と生涯教育研修の基礎を確立することができます。
研修カリキュラムは,7つのカテゴリ,80項目から構成され,その詳細とステップが収載された院内必携を用います。これにより指導医は,各研修医のスキルに応じ,細やかな習熟度と進行状況のチェックをすることができ,研修医は未消化な分野を残すことなく研修カリキュラムを完遂できます。
大きな可能性を持った新人歯科医師たちに,最強,最高の指導を行うのと同時に,自分達も研鑽を重ねたいと考えております。
臨床研修施設長/臨床研修プログラム責任者/指導歯科医師
アークブレーンズ理事長/アーク歯科クリニック番町オフィス院長 西田 香
研修目標
本院の臨床研修の目標は,歯科医学・医療に対する社会的要求を認識し,真の患者主体の全人的医療を実践することで,国民から信頼される歯科医師を育成することです。そして,その達成のために診療能力(態度,技能および知識)を修得し,さらに高度な診療能力を身に付け,生涯教育の素地を構築します。
プログラムの監修
アーク歯科クリニック 最高顧問
日本大学歯学部歯周病学講座 兼任講師 西田哲也
日本歯周病学会専門医/指導医、日本口腔インプラント学会専門医/指導医
平成19年、アーク歯科クリニックが卒直後研修施設としてスタートする際、どのような方針とカリキュラムで行えば良いのかと相談され、監修を引き受けました。
私たちが学生あるいは新人歯科医師であった時代、歯学教育、特に臨床教育は、比較的自由で充実していたかと思います。大学内では担当医の指導と患者さんの協力のもと、歯学生(院内生)が支台歯形成や抜歯など水準Ⅱ以上の処置も随分と行えた時代でもありました。また、病院内の技工物は基本的に全て学生が作製した為、私が院内生の1年間で作製した技工物は300症例を超えたと思います。その他、全症例のカルテ書きやプロトコール(口頭試問)、レポート、試験症例、定期試験勉強等、通常で夜九時、遅ければ終電まで残り忙しくも充実した院内生活を送りました。当時はあまりにも過酷で過密な院内生活を恨むこともありましたが、今となっては掛替えのない財産と素晴らしい思い出になっています。
しかしそのような古き良き時代の臨床教育は、時代や社会構造の変化とともに、歯学生(の臨床実習で)の歯科医療行為と歯科医師法第17条(歯科医師でない者の歯科医業の禁止)との関係の整理が必要との認識が広がり、様々な教育ガイドラインやシステムが整えられた一方、実際の臨床教育は希薄化あるいは遅延化してしまった感は否めません。
歯学生あるいは新人歯科医師の皆さん?!
皆さんの院内生時代、どれだけ多くの症例を習熟したでしょうか?恐らく、水準Ⅱ以上の臨床実地や自験は極めて少なく、技工物の作製も多くて数個ではないでしょうか。このような状況に至った理由は、『臨床実習は歯科医師になった後に行う』との社会コンセンサスの台頭があり、法令遵守の精神からも必然な結果かもしれません。
よって、ライセンスを取得し歯科医師となった研修医に対し、近年の歯学生の皆さんができなかった、より臨床的で“実戦的”な研修プログラムを私たちの院内実習を参考に考えました。歯科界は多難な時代に入り久しいと言われますが、“実力”こそがアドバンテージとなり確実な成功の鍵と言えましょう。
私は20年あまりの大学教員生活の中で、「臨床医にとって、(臨床に携わり始めた)最初の3年(5年生、6年生、研修医)が重要な時期」だと考えています。その最後の1年が研修医の1年であり、一人の歯科医師の一生を左右する極めて大切な時期であると考えています。だからこそ、この1年で、効率よく網羅的に研修カリキュラムを習熟するプログラムを考える必要がありました。
アーク歯科での研修プログラムは綿密で充実していますが、一方で過密で過酷と思われるかもしれません。しかし、人は厳しい修練や環境があってこそ実力がつくと信じています。簡単に得られるものに何の価値もありません。人が得難いものこそが、真に価値ある財産になると思いこの研修プログラムを作成致しました。アーク歯科での研修が、皆さんの10年後、20年後にかけがえなのない財産となることを願って・・・
研修プログラムの参考図書
当施設の指導医が書いた参考図書を用います。
購入は以下のサイトから可能です。
学建書院HP
シエン社HP/立ち読みする(1巻・2巻・3巻)
アマゾン(1巻・2巻・3巻)